2026/6/3
エロクソン等の「塗るED治療薬」について徹底解説

- 「塗るED薬」の基礎知識
1.「塗るED薬」のタイプ
(1)概要 (2)「塗るED薬」4タイプの説明
2.4種類の「塗るED薬」と有効性
(1)エロクソン(Eroxon) (2)アルプロスタジル外用クリーム (3)テストステロンクリーム (4)エクソソーム系クリーム
3.4種類の「塗るED薬」の塗布するタイミング
4.4種類の「塗るED薬」の作用時間
5.4種類の「塗るED薬」の国内承認状況
6.4種類の「塗るED薬」の副作用
7.「塗るED薬」の避けるべき併用薬 - エロクソンの解説
1.エロクソンとは 2.勃起促進のメカニズム 3.一般的な局所冷却との違い 4.使用について 5.効果性のエビデンス 6.安全性と日本での扱い - 当院グループの「塗るED薬」
1.エクソソームクリーム「エクステム」 2.リドスプレー
Ⅰ.「塗るED薬」の基礎知識
1.「塗るED薬」のタイプ
(1)概要
「塗るED薬」と呼ばれるタイプは、主に以下の4タイプに分かれます。
①血管を広げるタイプ
ニトログリセリン、アルプロスタジル、PDE5阻害薬成分シルデナフィル、など
②男性ホルモン補充タイプ
テストステロンを含むホルモンクリーム
③幹細胞・エクソソーム系クリーム
ヒト幹細胞由来エクソソームや培養上清を配合した自由診療クリーム
④サプリ的男性クリーム
各種動物エキス、アミノ酸、ハーブなどを混ぜた男性用クリーム
以下で順に説明します。
(2)「塗るED薬」4タイプの説明
①血管を拡げるタイプ
陰茎の血管を広げて一時的に勃起を助けることを狙った外用剤です。
・血管拡張薬(ニトログリセリン)
海外の外用薬「エロクソン(Eroxon)」などで、配合されているニトログリセリンが陰茎血管を拡張し、短時間での勃起効果が期待されています。
・アルプロスタジル外用クリーム
「外用バイアグラ」として紹介されることがあり、アメリカではアルプロスタジルクリームが局所用ED治療薬として承認されています。外用軟膏としては日本では褥瘡・皮膚潰瘍治療用の「プロスタンディン軟膏0.003%」が承認されています。
・PDE5阻害薬の塗り薬
有効成分シルデナフィルなどを含む「塗るバイアグラ」タイプで、陰茎の血管拡張を狙います。PDE5阻害薬を塗り薬にしたものは、経口薬と同じPDE5阻害薬成分を皮膚や陰茎表面から吸収させる「外用PDE5阻害薬」「経皮PDE5阻害薬」として研究段階にあるといえます。
②男性ホルモン補充タイプ
EDというより男性ホルモン低下の改善を通じて性機能をサポートする狙いのクリームです。
・テストステロンクリーム
有効成分は男性ホルモンのテストステロン。国内の男性ホルモンクリームでは、勃起力減退など男性ホルモン不足に伴う症状改善に使われます。
③幹細胞・エクソソーム系クリーム
自由診療の男性機能改善・アンチエイジングで使われる新しいタイプです。
・ヒト幹細胞由来エクソソーム・培養上清
エクソソームクリーム「エクステム」(当院グループの処方有り)や各種EDケアクリームにはヒト臍帯・脂肪・歯髄由来の幹細胞培養上清やエクソソームが配合され、「血管再生や組織修復を通じてEDを根本から改善」が期待されています。国内でED薬として承認されているわけではなく、自由診療となります。
④サプリ的「男性クリーム」
医薬品ではなく、いわゆる精力サポートグッズとして販売されているものです。
・動物エキスやアミノ酸など
馬・豚の睾丸エキス、馬ペニスエキス、マムシ末、マカエキス、ムイラプアマエキス、アルギニン、亜鉛などを配合し、「男性機能サポートクリーム」として販売されている例があります
2.4種類の「塗るED薬」と有効性
「塗るED薬」は、臨床試験により科学的には「一定の効果あり」とは言えますが、ED治療薬のように第一選択になるほど強い薬ではないという位置づけになります。
(1)エロクソン(Eroxon)
・エロクソンは、約300人の臨床試験で、60%の症例で10分以内に勃起し、63%の男性に改善があったと報告されています。(※1)
・この報告をもとに、欧米などでは「市販できる外用ED治療薬」として承認されています。日本では未承認薬です。
・ただし、バイアグラなどの内服ED治療薬のように第一選択になるほど強い薬であるかについて評価は未確定です。
(※1)→エロクソン®:臨床試験
(2)アルプロスタジル外用クリーム
陰茎に塗る「アルプロスタジル(プロスタグランジンE1)」のクリームについては
・臨床試験で、国際勃起機能スコアや性交成功の割合がプラセボより有意に改善したとの報告があります。(※2)
・ただし、勃起改善効果は、バイアグラなどの内服ED治療薬よりも小さいという評価があります。(※3)
・外用軟膏としては日本では褥瘡・皮膚潰瘍治療用の「プロスタンディン軟膏0.003%」が承認されています。しかし、性機能領域で使われるアルプロスタジルクリームとしては、日本では未承認薬です。
(※2)→勃起不全治療のためのアルプロスタジル外用クリームの統合解析 - PubMed
(※3)→男性勃起不全治療における血管活性薬の使用:現在の概念 - PubMed
(3)テストステロンクリーム
・臨床試験では、経皮テストステロン(ジェル含む)は、性的欲求や勃起機能の指標の改善(効果量は中等度)を改善しうると報告されています。(※4)
・日本では、「グローミン」などの承認薬があります。
(※4)→低性腺症男性におけるテストステロン補充療法の有効性と有害事象:ランダム化プラセボ対照試験の系統的レビューおよびメタアナリシス - PubMed
(4)エクソソーム系クリーム
・臨床試験では、エクソソームクリーム塗布による男性性機能改善効果の有効性があるとする報告があります。(※5)
(※5)→勃起機能の向上とアンドロポーズ症状の緩和:ヒト幹細胞コンディショニング培地クリームの臨床的有効性
3.4種類の「塗るED薬」の塗布するタイミング
(1)タイミングの目安
代表的な「塗るED薬」の目安は以下のとおりです。
①エロクソン
海外で承認されているエロクソン(Eroxon) では
・使用直前にチューブを開封し、亀頭全体に塗布する
・塗布後 数分〜10分以内に勃起が得られることが多いとされる(※6)
このため、性行為を始める約5〜10分前に塗るのが目安になります。性行為前に塗って、前戯をしている間に勃起してくるイメージです。
(※6)→エロクソン®の使い方 - エロクソン
②アルプロスタジル外用クリーム
アルプロスタジル(PGE1)の陰茎外用薬については、臨床試験データなどから
・塗布後 5〜30分程度で最大効果に達する
・単回の性交を想定した一時的な効果として用いられる(※7)
そのため、性行為の直前〜30分前までに塗るのが目安です。性行為前に塗って、しばらく前戯をしながら勃起を待つイメージです。
(※7)→430-12-Alprostadil-Caverject-Medication-Patient-Information-In-Japanese.pdf
③テストステロンクリーム
性行為時の勃起目的のタイミングで使用するのではなく、日頃の塗布による男性機能・勃起力の根本的改善目的・アンチエイジング目的での使用が基本となります。
④エクソソーム系クリーム
性行為時の勃起目的のタイミングで使用するのではなく、日頃の塗布による男性機能・勃起力の根本的改善目的・アンチエイジング目的での使用が基本となります。
(2)注意点
日本では、こうした外用ED治療薬はまだ標準的な処方薬ではなく、輸入や自由診療扱いのものが多い状態です。実際に使う場合は、必ず医師から具体的な薬剤名と使用タイミングの指示をもらうことをおすすめします。
4.4種類の「塗るED薬」の作用時間
テストステロンクリームとエクソソーム系クリームについては、毎日の塗布と長期的な治療効果持続を目指すため、作用時間に関する説明を省きます。即効性が期待されるエロクソンとアルプロスタジル外用クリームについて、作用時間を説明します。
(1)作用時間
外用のED治療は、塗った部位に一時的な刺激や血流増加を起こし、その結果として起きた勃起が、性的刺激が続く間(未確定)だけ維持されるというタイプが多いです。
①エロクソン
・塗布後 5〜10分ほどで勃起を得られる人が多いとされる
・ただし、ED内服薬のように6時間効くといった明確な持続時間はありません
・皮膚表面での冷感→温感という物理的刺激で勃起を引き起こす仕組みのため、勃起そのものは、性刺激が続くあいだのみ維持されます
・塗布により勃起し、その後は性刺激が続く限り勃起が維持されるイメージです。
②アルプロスタジル外用クリーム
・塗布後 5〜30分程度で勃起効果発現
・作用は比較的短時間で、通常 1時間前後の性行為に用いることを想定
・性行為の瞬間を目的とした一時的勃起効果という位置づけです
(2)ED内服薬と「塗るED薬」の作用時間の違い
違いは以下のとおりです。
①バイアグラなどのED内服薬
・有効時間がおおよそ数時間〜半日など、薬剤ごとに決まっている
・その時間帯は「勃起しやすい状態」が続く
②塗るED薬
・塗った回ごとに、その場の1回の勃起を助ける
・持続時間は、性刺激や個人差に左右されやすいため、確実な持続時間は不明
5.4種類の「塗るED薬」の国内承認状況
(1)ED改善目的の「塗るED薬」は日本では未承認
最近、陰茎や陰嚢に塗るタイプのクリームやジェルが「ED改善」「アンチエイジング」目的でクリニックから自由診療として出されていますが、日本で「ED治療薬」として正式に薬事承認されている外用剤はありません。
(2)現時点で国内承認されているED薬
日本で「ED治療薬」として厚労省に承認されているのは、いずれも内服のPDE5阻害薬のみです。
このため、塗るタイプのクリームやジェルは
・医薬品としては、日本では未承認
・効果・効能として「ED治療」を公式に明示することはできない
・副作用が出ても公的な医薬品副作用救済制度の対象外となる可能性が高い
という扱いになります。
(3)クリニックオリジナルクリームや個人輸入品について
エクソソーム配合クリームなど「塗るタイプのED・アンチエイジング」として紹介されている製品はありますが、医師の判断で輸入し、処方することは法的には可能です。
海外で承認された塗るED薬(テストステロンクリーム、エロクソン、アルプロスタジル外用クリームなど)についても、日本では承認・販売されていないため、医師の判断がない個人輸入などは、特にリスクが高いと言えます。
6.4種類の「塗るED薬」副作用
(1)主な副作用のタイプ
外用ED薬やジェルでは、基本的に「塗った部分の局所症状」が中心です。
①局所の刺激・痛み
エロクソン、アルプロスタジル外用クリーム、テストステロンクリーム、エクソソーム系クリームについては、代表的には次のような副作用があります。
・ヒリヒリ感、灼熱感、違和感
・軽い痛みや赤み、かゆみ、発疹
②パートナー側への影響
塗った薬やジェルが膣や口腔に触れると、パートナー側に
・刺激感
・ヒリヒリ、かゆみなどの違和感
が起きる可能性があります。
【エロクソン】
添付文書や説明書(※8)では「避妊具を使う」「膣に触れないようにする」といった注意が書かれています。
(※8)→VE10395_EROXON_IFU_standard_300x416_26x100_v3_HR
【アルプロスタジル外用クリーム】
妊娠中や妊娠可能性が高い場合は、念のため塗布部が確実に乾いてから接触する、あるいはコンドーム使用を徹底するなどの配慮が推奨されます。(※9)
(※9)→日本で承認されている褥瘡・皮膚潰瘍治療用の「プロスタンディン軟膏0.003%」のインタビューフォーム(プロスタンディン軟膏0.003% インタビューフォーム)
(2)全身への影響
①エロクソン
薬物が血液中にほとんど入らない物理作用型(冷温刺激)の外用薬ですので
・全身性の副作用
・他の内服薬との飲み合わせの問題
が起こりにくいとされています。
②アルプロスタジル外用クリーム
薬理作用のある外用薬ですので、吸収量は少ないものの
・頭痛
・めまい、血圧低下など
の全身症状が報告されることもあります。頻度は内服薬より低いとされますが、ゼロではありません。
(3)注意が必要となる場合
・皮膚が弱い、アレルギー体質がある
・陰茎や亀頭に皮膚疾患や傷がある
・パートナーが膣炎など粘膜トラブルを起こしやすい
こうした場合は、自己判断で通販品などを使うのは避けて、泌尿器科や男性外来で相談した方が安全です。
7.「塗るED薬」の避けるべき併用薬
(1)「塗るED薬」の2つのタイプ
塗るED薬は、下記の2タイプに大きく分かれ、このタイプの違いで「避けるべき併用薬」がかなり変わります。
①物理作用型外用タイプ(冷温刺激タイプ)
エロクソンが該当し、薬成分をほとんど含まず、冷温の皮膚刺激で勃起を誘発するタイプになります。
②薬理成分入り外用薬タイプ
アルプロスタジル外用クリームが該当し、血管拡張薬効果で勃起を誘発するタイプになります。
(2)物理作用型外用タイプの場合
エロクソンなどの薬理成分を含まないジェルは
・局所で温度・触圧刺激を起こすだけで
・血中にはほとんど吸収されない
・そのため、既知の薬物相互作用は報告されていないとされています (※6)
このタイプは、ニトログリセリンなど「ED内服薬と相性が悪い薬」を使っている人にも選択肢になりうるとされています。
【注意点】
下記の注意点から、同じ部位に塗るステロイド軟膏などとの重ね塗りは自己判断でやらない方が安全です。
・陰茎の皮膚に炎症や傷がある時は使用を避けること
・他の外用薬を同じ場所に重ね塗りすると刺激が強くなりやすい
(3)薬理成分入り外用薬タイプの場合
アルプロスタジル外用クリームなどの血管拡張薬を塗るタイプは、吸収量は少ないものの下記の性質があります。
・血管を広げて血圧を下げる方向の作用がある
・頭痛や血圧低下など、軽い全身症状が出ることもある
このため、内服ED治療薬と同じような注意が必要になる可能性が高く、次の併用は、要注意または避ける対象になります。
・硝酸薬・ニトログリセリン製剤
・ニコランジルなどNO供与薬
・一部の強力な降圧薬、抗不整脈薬
・他のED治療薬との併用使用
具体的な「禁忌・注意」は薬ごとで決まるため、アルプロスタジル外用を検討する場合は、必ず医師に現在の内服薬を全部伝えて相談する必要があります。
Ⅱ.エロクソンの解説

1.エロクソンとは
イギリスの企業が開発した「塗るタイプのED治療用ゲル」で、陰茎亀頭部に直接塗布して使う製品です。飲み薬ではなく、医療機器として位置付けられている点が特徴とされています。(※10)
日本では医薬品・医療機器としては未承認で、市販もされていません。現在流通しているのは海外製品を扱う通販サイトなどでの個人輸入ルートが中心です。
(※10)→エレクタイルヘルスについて、エロクソン®の仕組み - エロクソン
2.勃起促進のメカニズム
エロクソンについて、物理的な「冷温刺激」がどのように勃起に作用しているのかを以下で説明します。(※10)
(1)物理的「冷たさ」と「温かさ」を感じるメカニズム
エロクソンは内服薬のような薬理作用ではなく、局所の冷温の物理刺激で勃起反応を引き出す設計になっています。
・主成分の高濃度エタノールが揮発する時に熱を奪い、亀頭表面の温度を急速に低下させる
・この急な皮膚温低下で、冷感受容体(TRPM8など)を持つ知覚神経が強く刺激される
・その後、エタノールが飛び、プロピレングリコールやグリセリンが残ることで、やや温かく感じる相転移(クール→ウォーム)刺激が生じる
上記の「一気に冷えて、少し温まる」二相性刺激(冷・温の相反する2回の温度変化刺激)の物理的発生が、エロクソンの特徴です。
(2)「冷温刺激」の物理刺激による血流増加
冷却とその後の温感の物理刺激は、以下の流れで血流に結びつくとされています。
・冷・温の2回の物理的刺激で末梢の感覚神経が強く興奮
・その求心性刺激(身体末梢から脊髄・脳の中枢に伝わる刺激)が反射的に、局所神経末端から血管拡張性の神経ペプチド(神経から出て、血管の平滑筋をゆるめて広げる働きをもつペプチドホルモン)などを放出
・陰茎平滑筋の弛緩と動脈拡張が起き、海綿体への血流が増加
・性的刺激(視覚・触覚など)が同時にあることで、勃起として成立する
ここで重要なのは、薬が血中に入って血管拡張作用のあるNOを薬理的に供給するのではなく、知覚神経への物理・温度刺激を利用して反射性に血管拡張を起こしているとされる点です。
3.一般的な局所冷却との違い
通常、局所冷却は血管収縮や炎症抑制を狙いますが、エロクソンによる局所冷却は、以下のように少し異なります。
・持続的な冷却ではなく、短時間の急激な冷却変化と、その後の軽い温感が1セットになっている
・目的は「血流を減らす」のではなく、「短時間急激冷却とその後の温感という2回の強い感覚入力をトリガーにした反射性血管拡張」を図っている
・そのため、冷却時間はごく短く、長時間アイスパックを当てるような通常の使い方とはメカニズムが違う
4.使用について
海外の公式情報(※11)をまとめると、標準的な使い方は次のようになります。なお、日本の公的な添付文書はありません。
(※11)→よくある質問 |エロクソン®
(1)使用手順
・チューブのフタを外し、先端で封を開ける
・チューブの中身をすべて指先に出す
1本で約0.3 mL、1回分の量
・陰茎の亀頭部分のみに、約15秒ほどやさしく塗り込む
包茎の場合は、痛くない範囲で包皮を軽くむいてから
・性的刺激を受けながら待つ
多くの人で10分以内に勃起が得られるとされています
・性行為のたびに、チューブ1本を使用する
(2)使用回数と注意点
・性行為のたびに、1本をその都度使用
・症状が出たときだけ、その都度使う
・次のような場合は使用しないとされています。
*成分にアレルギーがある
*医師から性交を控えるよう言われている
*陰茎の病気や変形がある
*陰茎の皮膚が赤い、ただれている、傷がある
5.有効性のエビデンス
・エロクソンは、約300人の臨床試験で、60%の症例で10分以内に勃起し、63%の男性が改善があったと報告されています。(※1)
・この報告をもとに、欧州などでは「市販できる外用ED治療薬」として承認されているとされています。日本では未承認薬です。
・ただし、バイアグラなどの内服ED治療薬のように第一選択になるほど強い薬であるかについて評価は未確定です。
・一方で、規制当局の公的資料として日本語で確認できる状態ではなく、学術論文ベースでも十分に開示されていません。そのため、内服のPDE5阻害薬と同列に「確立した標準治療」とみなせる段階ではなく、「海外で販売されている新しめの局所用製品」という位置づけにとどまります。
6.安全性と日本での扱い
日本国内では未承認のため
・医師の処方薬として一般流通していない
・効能効果や安全性について、国内の審査を経た公式な評価がない
・個人輸入で入手した場合は、品質・保管状態などが自己責任となる
理論上は
・かぶれ、発赤、痛みなどの局所刺激
・パートナー側の局所刺激
・ごくまれな全身アレルギー反応
などのリスクはあり得ますが、日本の添付文書がないため、標準化された「副作用一覧」は存在しません。
勃起障害の悩みがある場合は、未承認製品の自己判断使用よりも、日本国内で承認されている内服薬や他の選択肢について専門医に相談する方が安全です。
Ⅲ.当院グループの「塗るED薬」

当院グループでは、「塗るED薬」としては、医師の判断の下で、以下の2つの処方を実施しております。
エクソソームクリーム「エクステム」(※12)
リドスプレー(※13)

(※12)→エクソソーム「エクステム」を塗るだけのED・更年期治療を徹底解説
(※13)→リドスプレーについて
1.エクソソームクリーム「エクステム」
(1)概要
・エクステムは「ヒト幹細胞培養上清液+エクソソーム」を含む男性用ケアクリームで、陰茎・陰嚢に塗布して血管・神経の再生を促進して、EDの「根本改善」が期待できます。
・従来から自由診療では、アンチエイジングを目的として、エクソソームを体内に直接注入する治療が行なわれていましたが、治療代が高額であり、注射・点滴など痛みを伴う点が課題でした。
・しかし、エクステムは、クリームでの体内吸収率向上が可能となったため、注射・点滴不用となり、治療費の削減・痛み回避が可能となりました。
(2)ED改善メカニズム
エクステムによるED改善メカニズムは、下記のとおりです。 エクソソームが放出するサイトカインや成長因子により
・陰茎血管の再生・血管新生
・神経再生、神経保護
・抗炎症作用
これにより陰茎への血流と神経機能が改善し、勃起機能を「根本から改善」が期待できます。
(3)エビデンス
臨床試験では、エクソソームクリーム塗布による男性性機能改善効果の有効性があるとする報告(※14)があります。
(※14)→勃起機能の向上とアンドロポーズ症状の緩和:ヒト幹細胞コンディショニング培地クリームの臨床的有効性
(4)注意点
医薬品としては、国内未承で、医師の判断に基づく自由診療になります。
2.リドスプレー
(1)リドスプレーとは
リドスプレーとは、局所麻酔薬として使用されているリドカインを主成分とする早漏治療用スプレーです。
(2)リドスプレーの主な効果
①早漏改善
リドカインという局所麻酔薬を亀頭などに噴霧して感度を下げ、射精までの時間を延ばすための「早漏治療薬」として位置づけられています。
②間接的ED軽減
【緊張によるED発症のメカニズム】
・性行為の場面で強い緊張や不安があると、交感神経が優位になります。
・勃起には、リラックスして副交感神経が優位になることが必要です。
・そのため、この強い緊張や不安で交感神経が優位な状態だと陰茎の血管が開かず、血流が十分に入らなくなります。
・その結果、「陰茎がうまく勃たない、勃ってもすぐ萎える、逆に焦りからすぐ射精してしまう」といった心因性EDや早漏に結びつきやすいとされます。
・この強い緊張や不安が軽くなれば、勃起も勃起維持もしやすくなる可能性があります。
【リドスプレーでED軽減が期待できるメカニズム】
・リドスプレー自体には、勃起を促すED治療薬のような作用はなく、血流を増やす作用もなく、薬理学的にED治療薬とは言えません。
・ただし、以下のような間接的なED軽減の可能性が期待できます。
〈不安・失敗体験の軽減〉
・「すぐ射精してしまうかも」「途中で中折れしたらどうしよう」という不安を緩和する
・射精のコントロールができる体験をすることで性行為の自信が回復する
・性行為への不安感が和らぎ、緊張が緩和する この結果として
・緊張が緩和され、勃起を阻害する交感神経よりも勃起を促進する副交感神経が優位になり勃起しやすくなる
〈EDと早漏の併発〉
EDと早漏は2~3割の患者様で併発する傾向があるとの下記の報告があります。
・国際的な大規模調査やメタ解析では、早漏を自覚する男性はEDリスクが約3 〜4倍に増えると報告されています。(※15)
・インターネット調査など個々の研究では、「早漏の男性のうち約3割前後にEDが併存」という結果が複数出ています。(※16)
・逆にED患者を対象にすると、そのうちの2〜3割程度が「射精が早すぎる悩み」も同時に訴えている報告があります。(※17)
(※15)→ (中国都市部男性の早漏:有病率と相関関係 - PMC)
(※16)→ (早漏と勃起不全の併存症―横断面インターネット調査 - PMC)
(※17)→ (勃起不全と早漏の共存に関する断面観察研究 - PMC
〈ED治療薬との併用〉
・上述の様にED患者様の約2~3割が早漏を併発しているという報告(※)があるため、ED治療薬とリドスプレーの併用を処方する場合もあります、
(3)リドスプレーの即効性
リドスプレーは即効性があり、噴霧後10〜20分ほどで局部の感度が低下します。
(4)リドスプレーの作用時間
リドスプレーの作用時間(効果持続時間)は、1回の噴霧で2時間ほどです。
(5)使い方
リドスプレーは、性行為の15〜30分前に使用します。 正しい使い方・手順は、以下の通りです。
・陰茎に直接噴射する
・10〜20分後にシャワーで洗い流す
噴射してシャワーで洗い流すだけなので、初めての方でも簡単に使用できます。
(6)注意点
リドスプレーを噴射した後は、性行為前に必ずシャワーで洗い流しましょう。
・シャワーで洗い流さずに性行為に及んでしまうと、パートナーにもリドスプレーの成分が作用し、感度が落ちる可能性があります。
・やむを得ない理由でシャワーができない場合は、コンドームを使用するなどして、パートナーにリドスプレーの効果が及ばないようにしましょう。
《最後に》

当院は、10年以上の診療実績、100万件以上の診療件数があり、全国10院からなるユナイテッドクリニック・グループに所属しております。ユナイテッドクリニック・グループでは豊富な治療経験に基づく安全性・有効性・経済性に配慮したED治療(※18)を目指しております。アンチエイジングによる多角的なED治療(※19)によって、EDにお悩みの患者様に寄り添うことを目指しております。EDでお悩みの場合は、お一人で悩まず、当院の専門医師に、お気軽にご相談ください。また、「来院不要、診察料無料・即日受診・最短即日発送可能な、スマホでのオンライン診療」(※20)では、各種の優待制度で皆様のお問い合わせ・ご予約を心よりお待ちしております。
(※18)→安全性・有効性・経済性に配慮したバイアグラの入手方法を解説
(※19)→前立腺肥大症とEDの関係、多角的ED治療を徹底解説
(※20)→オンライン診療(電話診療)、ED治療のオンライン診療とは?バイアグラやレビトラなど処方可能な治療薬も紹介
《出典》
(※1)→エロクソン®:臨床試験
(※2)→勃起不全治療のためのアルプロスタジル外用クリームの統合解析 - PubMed
(※3)→男性勃起不全治療における血管活性薬の使用:現在の概念 - PubMed
(※4)→低性腺症男性におけるテストステロン補充療法の有効性と有害事象:ランダム化プラセボ対照試験の系統的レビューおよびメタアナリシス - PubMed
(※5)→勃起機能の向上とアンドロポーズ症状の緩和:ヒト幹細胞コンディショニング培地クリームの臨床的有効性
(※6)→エロクソン®の使い方 - エロクソン
(※7)→430-12-Alprostadil-Caverject-Medication-Patient-Information-In-Japanese.pdf
(※8)→VE10395_EROXON_IFU_standard_300x416_26x100_v3_HR
(※9)→日本で承認されている褥瘡・皮膚潰瘍治療用の「プロスタンディン軟膏0.003%」のインタビューフォーム(プロスタンディン軟膏0.003% インタビューフォーム)
(※10)→エレクタイルヘルスについて、エロクソン®の仕組み - エロクソン
(※11)→よくある質問 |エロクソン®
(※12)→エクソソーム「エクステム」を塗るだけのED・更年期治療を徹底解説
(※13)→リドスプレーについて
(※14)→勃起機能の向上とアンドロポーズ症状の緩和:ヒト幹細胞コンディショニング培地クリームの臨床的有効性
(※15)→ (中国都市部男性の早漏:有病率と相関関係 - PMC)
(※16)→ (早漏と勃起不全の併存症―横断面インターネット調査 - PMC)
(※17)→ (勃起不全と早漏の共存に関する断面観察研究 - PMC
(※18)→安全性・有効性・経済性に配慮したバイアグラの入手方法を解説
(※19)→前立腺肥大症とEDの関係、多角的ED治療を徹底解説
(※20)→オンライン診療(電話診療)、ED治療のオンライン診療とは?バイアグラやレビトラなど処方可能な治療薬も紹介
監修者
院長 髙嶋 政浩
| 平成元年 | 杏林大学医学部医学科卒業 |
|---|---|
| 平成元年 | 杏林大学医学部附属病院 |
| 平成8年 | 西部総合病院皮膚科・形成外科部長 就任 |
| 平成12年 | 大手美容外科クリニック |
| 令和3年 | ユニティクリニック |










