2026/7/1

メトホルミンとマンジャロの違いと併用メリットについて徹底解説

Ⅰ.コラムの要約

1.メトホルミンとマンジャロの比較

(1)適応

【メトホルミン】2型糖尿病
【マンジャロ】2型糖尿病、肥満症治療薬として海外承認

(2)ダイエット作用

【メトホルミン】インスリン抵抗性改善に伴う間接的減量
【マンジャロ】強い食欲抑制・胃排出遅延・脂肪代謝作用による直接的減量

(3)体重減少の目安

【メトホルミン】数%程度の減量(※2)
【マンジャロ】15〜20%程度の減量(※3)

(4)摂取方法

【メトホルミン】経口 【マンジャロ】皮下注射(週1回)

(5)ダイエット方針

【メトホルミン】インスリン抵抗性改善が主目的で、減量は副次的
【マンジャロ】本格的な肥満治療が主目的

2.メトホルミンとマンジャロの使い分け例

(1)ダイエット方針

【メトホルミン】糖代謝ベースを整える目的で長期的に使う
【マンジャロ】短期的に大きく体重を落とす

(2)副作用を避け、体重減少は数%でよいので、穏やかなダイエットを希望

【メトホルミン】数%の体重減少効果のため選択候補
【マンジャロ】数%を大幅に超える体重減少効果はあるが、効果が大きい分、副作用として消化器症状(悪心・嘔吐・下痢、食欲不振など)も出やすいため慎重な選択が必要

(3)高度肥満、10%以上の減量を目標

【メトホルミン】効果としては数%減量で弱い(※2)
【マンジャロ】15~20%の減量報告(※3)もあり第一候補

(4)経口薬を希望、注射は避けたい

【メトホルミン】有力候補
【マンジャロ】不向き

3.メトホルミン併用の多様なメリット

(1)ダイエット面のメリット

①メトホルミンのダイエット効果が出やすい人

・肥満度が高い人 ・インスリン抵抗性が強い人 ・内臓脂肪型肥満

・ダイエット開始から2~3ヵ月で3〜5%の体重減少がある人

②メトホルミン併用でダイエット効果が増加する薬

【GLP-1受容体作動薬・GIP/GLP-1作動薬との併用】GLP-1受容体作動薬では、「リベルサス」、GIP/GLP-1作動薬では、「マンジャロ」が代表的です。
【SGLT2阻害薬グループとの併用】「ルセフィ」が代表的です。
【脂肪吸収抑制薬グループとの併用】「オルリスタット」が代表的です。

【食欲抑制系薬(中枢性)グループとの併用】「サノレックス」「GIP/GLP-1作動薬マンジャロ」が代表的です。

(2)ダイエット以外のメリット

①全身の代謝改善:血糖コントロールと糖尿病予防

②将来の健康リスク軽減:心血管など全身リスク低下

最近注目のアンチエイジング効果(※13)

④美容・美肌効果

上記の要点について、以下で詳しく説明します。

Ⅱ.メトホルミンとマンジャロの概要

1.メディカルダイエットでの2剤の位置づけ

メディカルダイエットは、生活習慣の指導に加えて、医師管理のもと医薬品を用いて体重・代謝をコントロールする治療です。日本では、糖尿病治療薬として承認された薬を、自費診療で肥満治療に応用する形が一般的です。主な薬は、以下の2つです。

【メトホルミン】代謝やインスリン抵抗性に働きかける代表薬
【マンジャロ】食欲や摂食行動に働きかける代表薬

2.メトホルミンの概要

(1)メトホルミンの「シングルダイエット」効果

メトホルミンのダイエット効果は、有効成分「メトホルミン塩酸塩」によるシングルダイエット効果です。

(2)作用のポイント

・分類としては「ビグアナイド系の経口血糖降下薬」で、「GLP-1受容体作動薬」とは別グループ。ビグアナイドとは、「薬の種類の名前」です。

・肝臓での糖産生を抑えて血糖を下げる

・筋肉などでのインスリン感受性を高める

・2型糖尿病薬として長年使われ、安全性とエビデンスが豊富

肥満領域では

・インスリン抵抗性の改善

・軽度の体重減少や体重増加の抑制

が期待され、「太りにくい代謝環境をつくる」ポジションとして使われています。

(3)ダイエットの特徴

・体重減少効果は穏やかで、平均では数キロ程度の報告が多い

・食欲そのものを大きく落とす薬ではない

長期的に使いながら、リバウンド抑制や健康指標の改善に寄与するという位置づけが多い

(4)メトホルミンのメディカルダイエット戦略

①位置づけ

・非糖尿病肥満に対するメトホルミンは、多くの国で「肥満症治療薬」としては未承認で、あくまで適応外使用になります。

・一方で、前糖尿病やインスリン抵抗性を伴う肥満で、軽度の体重減少と糖尿病進展抑制が得られるエビデンス(※1)があり、メディカルダイエットで使われています。

②作用メカニズム

メトホルミンは主に以下の作用で体重増加を抑えます。

・肝糖産生抑制とエネルギー産生促進AMPK酵素活性化による糖代謝改善

・筋・脂肪組織でのインスリン感受性改善

・腸管での糖吸収抑制と血糖値を下げるGLP 1ホルモン増加など

③ダイエット効果が出やすいタイプ

非糖尿病肥満の中でも「インスリン高値型」「HOMA R高値」「内臓脂肪優位」では、体重減少が出やすいとされます。(※2)

インスリン高値型:血糖値はまだ糖尿病ではないのに、それを保つためにインスリンというホルモンをたくさん出している状態です。血糖を保つために、すでに体がかなり頑張っているサインと考えます。

HOMA R高値:空腹時の血糖値とインスリン値から計算する「インスリンの効きやすさの指標」で、この値が高いほどインスリンが効きにくい状態、つまりインスリン抵抗性が強いと判断します。

内臓脂肪優位お腹の皮下脂肪よりも、お腹の内側の内臓のまわりに脂肪が多くついているタイプです。見た目は同じ体重でも、内臓脂肪が多いほど糖尿病や心筋梗塞など生活習慣病のリスクが高くなることが分かっています。

④期待できる効果

非糖尿病肥満での期待効果は以下のとおりです。

体重減少:体重の数%減少

効果が出やすい条件:高BMIかつインスリン抵抗性が強い例ほど反応しやすい

有効な活用法:マンジャロなどのGIP/GLP-1作動薬のような2桁%の減量はまず期待できないため、「単剤で劇的に痩せる薬ではなく、太りにくい体質に寄せるサポート薬」といえます。具体的には、以下のとおりです。
*生活習慣介入(食事制限、運動)の「下支え」として副次的に考える
*マンジャロなどのGIP/GLP-1作動薬などを使う場合は「インスリン抵抗性是正」と「リバウンド抑止」のための併用を考える

⑤注意点

主な注意点は、以下のとおりです。

・主な副作用は消化器症状で、開始初期と増量時に多い

・まれに乳酸アシドーシスのリスク、長期ではビタミンB12低下リスクがあるため、体調不良発生の場合は、速やかに医師に相談する

メディカルダイエットでは「美容目的の安易な自己判断使用ではなく、医師の指導の下で安全管理を行いながら使う治療」であることに留意しましょう。

3.マンジャロの概要

(1)マンジャロの「ダブルダイエット」効果

マンジャロのダイエット効果は、有効成分「チルゼパチド」による「GIPとGLP 1のデュアルアゴニスト」というダブルのダイエット効果が特徴です。

①「GIP」と「GLP-1」とは

食事をすると、小腸から「インクレチン」と呼ばれるホルモンが出ます。その代表がこの「GIP」と「GLP-1」という二つのホルモンです。どちらも「食後に血糖や食欲にブレーキをかけるホルモン」です。

GIP:血糖が高い時にインスリンを出やすくし、血糖値を下げる

・GLP-1:インスリンを出やすくし、食欲を抑え、胃の動きをゆっくりにする

②デュアルアゴニストとは

「アゴニスト」とは、「受容体を刺激して、そのホルモンと同じような働きをさせる薬」という意味です。マンジャロは「GIP」と「GLP-1」の両方の受容体を同時に刺激するので「デュアル(二重の)アゴニスト」と呼ばれます。
分かりやすいイメージで言うと、以下のとおりです。

・マンジャロは、体の中の「GIPスイッチ」と「GLP-1スイッチ」の2つのダイエットスイッチを同時に押してくれる薬

・従来のGLP-1薬(リベルサス等)やビグナイド薬(メトホルミン等)は一つのダイエットスイッチを押してくれる薬

・つまり、マンジャロは2つのダイエットスイッチを同時にONにする薬のため、従来のGLP-1薬やビグナイド薬(メトホルミン等)よりも高いダイエット効果が期待できます

(2)作用のポイント

・GIPとGLP 1ホルモンのダブルのダイエット効果(デュアルアゴニスト)

・食欲を抑え、満腹感を強くし、胃排出を遅らせる

・インスリン分泌促進やグルカゴン抑制などを通じて血糖も改善

臨床試験(※3)では、従来のGLP 1単独薬を上回る15~20%の体重減少効果が示され、「次世代の肥満治療薬」として位置づけられています。

(3)ダイエットの特徴

・強い食欲抑制と摂取カロリー減少が主なメカニズム

・糖尿病がない肥満でも有効性が示され、海外では肥満症薬として承認

・日本では糖尿病薬として承認されており、肥満への利用は自費診療の適応外使用という扱いが一般的

(4)マンジャロのメディカルダイエット戦略

①位置づけ

・マンジャロはGIP/GLP 1受容体作動薬で、2型糖尿病に対して承認されている薬剤。有効成分「チルゼパチド」は、GLP 1単独製剤と並んで肥満症治療の選択肢になっています。

・肥満治療としては、肥満症はまず食事運動療法が前提で、一定期間の介入で十分な効果が得られない場合に薬物療法を検討するという流れが一般的です。

②ダイエット方針

【体重減少の目標】
一般に「5〜10%減」で代謝面の改善メリット、「15%前後以上」でより大きな心血管・脂肪肝などへの改善メリットが期待されるとされています。

【期間】
少なくとも3〜6か月以上を見込み、その後の維持戦略まで含めて設計することが推奨されます。

③ダイエットプランのポント

【投与と生活習慣の組み合わせ】

生活習慣介入:日本の肥満症外来では、栄養指導と運動療法を少なくとも数か月行い、十分な減量が得られない際に、マンジャロなどのGIP/GLP 1受容体作動薬を含むGLP 1系薬を追加する流れが一般的です。

カロリー設定:ガイドラインでは、個々のBMI・基礎疾患に合わせたエネルギー制限とバランスのよい栄養摂取が基本とされています。(※4)

運動:体重減少維持や筋量保持のため、有酸素運動+レジスタンス運動(スクワット等の筋肉抵抗運動)の併用が推奨されます。(※4)

【マンジャロ利用のポイント】

作用:食欲抑制・胃排出遅延による摂取エネルギー減少に加え、エネルギー代謝や体組成に多面的に作用するとされています。

減量効果:海外の肥満症試験(※3)では、GIP/GLP 1デュアル作動薬で体重の15%以上の減少が得られた報告があり、GLP 1単独より高い減量率が示されています。

副作用対策:悪心、嘔吐、下痢などの消化器症状が代表的で、少量からの漸増と脂質の多い食事を避けることなどが推奨されています。

④マンジャロ利用のダイエットプラン例

【方針】減量と維持の土台としてのカロリー制限と運動療法
【薬物療法】減量スピード管理し、GIP/GLP 1作動薬マンジャロの週1回自己注射
【期間】安定した体重変化の確保を目指して、3〜6か月程度の減量期+数ヶ月~半年程度の減量体重維持期の設定
【状況管理】安全性と減量効果の適否評価のための体重、血圧、血液検査など
【終了戦略】リバウンド予防のためのメトホルミン服用等の減量維持プラン策定

⑤注意点

【適応と公的見解】厚生労働省(※5)は、糖尿病・肥満症以外の美容目的などでの適応外使用に対し慎重な立場を示しており、適正使用が強調されています。
【選択すべき対象】ガイドラインでは、肥満に関連する健康障害を持つケースに薬物療法を位置付けており、単純肥満での利用については慎重姿勢です。(※4)
【リバウンド対策】GIP/GLP 1作動薬マンジャロを含むGLP 1系薬は中止後に体重が戻りやすいことが報告(※6)されており、終了時には食事・運動・メトホルミン服用等の他治療への切り替えを含む「リバウンド防止対策」が重要です。

Ⅲ.メトホルミンとマンジャロの比較

メトホルミンとマンジャロは、ダイエット期待効果において別物といえます。

1.基本的な違い

(1)適応

【メトホルミン】2型糖尿病
【マンジャロ】2型糖尿病、肥満症治療薬として海外承認

(2)作用メカニズム

【メトホルミン】肝での糖新生抑制、インスリン感受性改善
【マンジャロ】GIP+GLP-1デュアル作動によるダブルのダイエット効果

(3)ダイエット作用

【メトホルミン】インスリン抵抗性改善に伴う間接的減量
【マンジャロ】強い食欲抑制・胃排出遅延・脂肪代謝作用による直接的減量

(4)摂取方法

【メトホルミン】経口
【マンジャロ】皮下注射(週1回)

2.ダイエット効果の大小

(1)ダイエット効果の概要

【メトホルミン】単剤での減量は数%と穏やかで、肥満症治療薬というより糖代謝改善を通じて少し体重も落ちるというイメージです。(※2)
【マンジャロ】約15〜20%という大きな体重減少が報告(※3)がされており、明らかに、メトホルミンを上回る減量薬です。

(2)取組み方針

【メトホルミン】インスリン抵抗性改善が主目的で、減量は副次的
【マンジャロ】本格的な肥満治療が主目的

3.安全性・副作用の特徴

長期的安全性の実績では、マンジャロよりもメトホルミンの方が有利といえます。

・減量目的では、メトホルミンよりもマンジャロの方が、効果が大きいぶん、副作用として消化器症状(悪心・嘔吐・下痢、食欲不振など)も出やすいです。

(1)副作用

【メトホルミン】消化器症状、ビタミンB12低下など
【マンジャロ】悪心・嘔吐・下痢、食欲不振などの消化器症状

(2)重大な懸念

【メトホルミン】乳酸アシドーシスリスクは非常に稀
【マンジャロ】急激な体重減少に伴う胆石などに注意

(3)エビデンス

【メトホルミン】糖尿病薬として60年以上の長年使用実績(※2)
【マンジャロ】ここ数年で急速にデータ蓄積中(※3)

Ⅳ.マンジャロとメトホルミンの使い分け

メディカルダイエットとして、マンジャロとメトホルミンをどのように戦略的に使い分けるかは、患者様にとって、治療上の選択肢が増えています。「代謝の土台を整えるメトホルミン」「体重を強力に落とすマンジャロ」で使い分けるイメージが分かりやすいです。

1.位置づけの違い

(1)マンジャロの特徴

・週1回の皮下注射、強力な食欲抑制と体重減少

・GIP+GLP-1のダブルアゴニストで、従来GLP-1単剤より減量効果が大きい

・日本では本来は2型糖尿病薬で、肥満・ダイエット単独目的は適応外使用。

・自由診療では高額だが、短期間での体重減少が期待され、近年メディカルダイエットの中心的薬剤になりつつある

(2)メトホルミンの特徴

経口薬で安価、長期安全性のエビデンス蓄積が非常に大きい

・肝臓での糖産生を抑えて血糖を下げ、筋肉などでのインスリン感受性を高める効果が主。体重は「増えにくくする・やや減らす」程度

・日本では2型糖尿病が適応。ダイエットやアンチエイジング目的は適応外使用、自由診療となり自費負担

2.2剤の使い分け

(1)使い分け方針

【メトホルミン】糖代謝ベースを整える目的で長期的に使う
【マンジャロ】短期的に大きく体重を落とす

(2)副作用を避け、体重減少は数%でよいので、穏やかなダイエットを希望

【メトホルミン】数%の体重減少効果のため選択候補
【マンジャロ】数%を大幅に超える体重減少効果はあるが、効果が大きい分、副作用として消化器症状(悪心・嘔吐・下痢、食欲不振など)も出やすいため慎重な選択が必要

(3)高度肥満、10%以上の減量を目標

【メトホルミン】効果としては数%減量で弱い
【マンジャロ】15~20%の減量報告(※3)もあり第一候補

(4)経口薬を希望、注射は避けたい

【メトホルミン】有力候補
【マンジャロ】不向き

(5)長期的な実績を重視

【メトホルミン】60年以上の実績が豊富
【マンジャロ】臨床データ蓄積中

3.使い分けの目安例

(1)BMI30以上+合併症あり

【改善方針】体重減少最優先
【マンジャロ】主力薬として検討
【メトホルミン】併用で代謝底上げ

(2)BMI27〜30前後

【改善方針】生活習慣改善+薬
【マンジャロ】期間限定で服用
【メトホルミン】先行服用または補助的服用

(3)BMI25〜27

【改善方針】先ずは生活習慣改善優先
【マンジャロ】原則慎重に服用
【メトホルミン】インスリン抵抗性が強ければ限定的に服用

4.使い分けのパターン例

以下は糖尿病なし肥満に対するメディカルダイエットを想定した治療パターン例です。実際の治療は、医師の判断が前提になります。

(1)マンジャロ主体+メトホルミン補助

【想定】
BMI高値、短期にしっかり落としたいケース。

【方針】

・マンジャロを週1回自己注射し、4週ごとに漸増しながら12〜24週を目安に集中的に減量

・インスリン抵抗性が強い、内臓脂肪優位、家族歴が濃い場合にメトホルミン少量から併用し、代謝改善を目指す

・食事・運動療法は「筋量温存」「タンパク確保」「睡眠」の3点に集中

【メリット】

・減量スピードが速く、モチベーション維持に有利

・メトホルミン併用で体重再増加リスクやインスリン抵抗性の悪化を緩和し得る

【注意点】

・消化器症状などの副作用が両薬剤で増強し得るため、摂取を十分に緩やかに

・適応外使用であること、長期使用のコストとメリットのバランスに留意

(2)メトホルミン先行+必要時にマンジャロ追加

【想定】
BMIは中等度、生活習慣改善への意欲が高く、高額自費は避けたいケース。

【方針】

・まず生活習慣改善とメトホルミン服用から開始し、3〜6か月の体重・腹囲・血液検査結果で治療効果を評価

・減量不十分や体脂肪率高値が続く場合に、期間限定でマンジャロを追加して減量スピード加速

・マンジャロ中止後もメトホルミンと生活習慣で体重維持・リバウンド回避を図る

【メリット】

・コストと侵襲性が比較的低い

・「痩せ薬依存」になりにくく、生活習慣改善を主役にしやすい

【注意点】

・メトホルミン単独の体重減少は緩やか

・明確な目標体重と期間を最初に共有しないと、効果不足の誤解懸念あり

(3)マンジャロ短期集中+終了後メトホルミン維持

【想定】
明確な期限があり、短期集中で減量したいが、終了後のリバウンドを最小化したいケース。

【方針】

・マンジャロで12〜24週集中的に減量し、その間に食事パターン・活動量・睡眠を新生活パターンに改善する

・終了前後からメトホルミンを導入し、体重・腹囲・インスリン抵抗性マーカーをモニタリング

・終了後6〜12か月は、「メトホルミン+生活習慣」で、リバウンド防止を図る

【メリット】

・マンジャロ中止後の体重増加を緩和するリバウンド防止

・代謝面の長期リスクコントロールにもつながる

【注意点】

・「マンジャロをやめてリバウンドする不安」のメンタルフォロー必要

・中止後の数か月は体重をこまめにフォローし、再増量時には早期治療開始

Ⅴ.メトホルミン併用の多様なメリット

1.ダイエット面のメリット

(1)メトホルミンのダイエット効果が出やすい人

メトホルミンによる減量効果が出やすいのは、概ね次の特徴を複数持つ人です。

【肥満度が高い人】BMI27〜30以上、特に30超の肥満では平均体重減少がやや大きい報告が多いです。(※7)
【インスリン抵抗性が強い人】空腹時インスリン高値、HOMA IR高値、耐糖能異常寄りの症例ほど体重減少が出やすいとされています。(※7)
【内臓脂肪型肥満】腹囲増大や脂肪肝、脂質異常など、内臓脂肪優位のメタボリック表現型で効果が出やすい傾向があります。(※8)
【体重減少に対する「初期応答」がある人】投与1年以内に体重の約5%以上減少した人(初期応答がある人)は、その後10年以上にわたり減量を維持しやすいとされています。(※9)

(2)メトホルミン併用でダイエット効果が増加する薬

メトホルミンを治療のベースとして、どの薬を重ねると減量効果が伸びやすいかを説明します。併用でダイエット効果が大きくなる代表薬グループは以下のとおりです。

GLP-1系薬グループとの併用

「メトホルミンでインスリン抵抗性を改善しておき、GLP-1系で食欲・体重を強く落とす」という役割分担になりやすいため、GLP-1系薬グループとの併用が減量目的でメトホルミンと最も相性が良いとされています。GLP-1系では、GLP-1受容体作動薬「リベルサス」、GIP/GLP-1作動薬「マンジャロ」が代表的です。

・それぞれが別の経路で食欲抑制・インスリン抵抗性改善を行うため、機序的に相補的

・糖尿病領域の大規模試験では、メトホルミン併用が「GLP-1単剤よりさらに体重が減る」傾向(※2)

・肥満治療のバックボーンとして「メトホルミン+GLP-1系」が組み合わせとして扱われていることが多い

SGLT2阻害薬グループとの併用

糖尿病適応が前提になりますが、代謝面からみると

・メトホルミンが肝臓の糖新生抑制とインスリン抵抗性改善

・SGLT2が尿中への糖排泄増加と軽度の浸透利尿

という別経路でカロリー排泄と体重減少に働くため、併用で体重減少が積み上がることが多いです。「ルセフィ」が代表的です。

脂肪吸収抑制薬グループとの併用

消化器症状が両薬で増えやすいため、副作用にどの程度許容できるかの忍容性が実用上の留意点です。「オルリスタット」が代表的です

・メトホルミンは糖代謝寄り、脂肪吸収抑制薬は脂質吸収抑制と役割が違います

・メトホルミン併用試験では、単剤より体重減少が大きくなる報告があり、生活療法との組み合わせで相加的な減量が期待されます(※2)

食欲抑制系薬(中枢性)グループとの併用

中枢性の食欲抑制薬とメトホルミンを重ねる戦略もあります。

・メトホルミンが「太りにくい代謝環境」を整え

・中枢性薬剤が「食べ過ぎのブレーキ」を担う

という分業で、特に暴食傾向が強い症例では体重減少が増える傾向があるとされています。中枢性の食欲抑制薬としては、「サノレックス」やGIP/GLP-1作動薬では、「マンジャロ」が代表的です。

⑤メトホルミンの「ダイエット下支え」効果

メトホルミンは、以下の点で、「メトホルミン以外のメインのダイエット薬効果を下支えするベース薬」になりやすいメリットがあります。

・単独で「劇的な減量」を起こす薬ではない

・しかし多くの減量薬とダイエットメカニズムがかぶりにくく、

・代謝改善と体重維持のベース薬として相性が良い

2.ダイエット以外のメリット

メトホルミンは「痩せる薬」として注目されがちですが、本来の全身の代謝改善、将来の健康リスク軽減だけでなく「アンチエイジング効果」「美容・美肌効果」に関わる薬としても最近注目されています。

(1) 全身の代謝改善:血糖コントロールと糖尿病予防

メトホルミンはもともと2型糖尿病治療薬で、肝臓での糖産生を抑え、小腸での糖吸収をゆるやかにして血糖値を下げます。前糖尿病の段階から使うと、将来の糖尿病発症リスクを下げる効果が報告されています。(※10)

(2)将来の健康リスク軽減:心血管など全身リスク低下

長期の大規模試験で、過体重の2型糖尿病患者において、メトホルミンは心筋梗塞などの心血管イベントや全死亡を減らしたという報告(※11)があり、死亡リスク低下効果、心血管など全身リスク低下効果が報告されています。(※12)

(3)最近注目のアンチエイジング効果

活性酸素を抑えたり、慢性炎症を和らげたりする可能性があり、老化や心血管疾患リスクを下げる「アンチエイジング」薬としても注目されています。(※13) 虚弱リスクの低下に関連するという研究報告もあり、高齢期の全身予後への影響が研究されています。(※14)

①概要

メトホルミンには、活性酸素の抑制、炎症反応の抑制、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性化などにより、アンチエイジング効果が期待されています。

【活性酸素の抑制】活性酸素は老化やがんの原因となる細胞へのダメージを引き起こしますが、メトホルミンはこれを抑制し、活性酸素を除去するタンパク質(Nrf2)を活性化させることで、酸化ストレスから細胞を保護し、エイジングケアにつながるとされています。
【炎症反応の抑制】メトホルミンは、老化細胞による慢性炎症を抑制する可能性が示唆されています。
【寿命延長】動物実験では寿命延長効果が確認されており、ヒトにおいてもTAME(Targeting Aging with Metformin)試験が進行中です。糖尿病患者がメトホルミンを長期間服用することで、糖尿病ではない同世代の人よりも長生きするという報告もあります。

メトホルミンの多様なアンチエイジング効果

様々な働きをもつメトホルミンは、以下に説明するように世界各国の研究によりアンチエイジングに関係している可能性が報告されています。

【若返り効果】
〔研究報告〕生体年齢「エピジェネティック時計」(※15)を測った結果、メトホルミンが生体年齢を3歳前後若返らせる可能性が報告されました。(※16)

・この研究では、メトホルミンで服薬治療中の糖尿病患者と、メトホルミン非投与の糖尿病患者で、エピジェネティック時計が測定されました。

・測定の結果、メトホルミンを投与された患者グループの方が、エピジェネティック時計の生体年齢が若いことが報告されました。Horvathエピジェネティック時計では、2.77歳若く、Hannumエピジェネティック時計では、3.43歳若くなるという統計結果が出ました。

・この報告からは、メトホルミンが老化を予防するのみならず、実際に体を若返らせる可能性があることが分かります。

【長寿効果】
〔研究報告〕実際にメトホルミンを服用している人は、そうでない人に比べて長生きする傾向が示された研究データがあります(※17)

・この研究では、メトホルミンで治療を受けた約7万8千人の糖尿病患者と、糖尿病のない健康な約9万人を対象に6年間の生存率が検証されました。

・調査の結果、メトホルミンで治療を受けた糖尿病患者の方が、そうでない人に比べて平均生存期間が長い ことが示されました。

(4)美容・美肌効果

メトホルミンは「直接の美肌薬」ではありませんが、代謝・体重・内臓脂肪の改善を通じて、結果として美肌に寄与する期待があります。(※13)

Ⅵ.当院グループのメディカルダイエット

1.身体的・精神的負担軽減・利便性の高い簡単ダイエット治療

当院グループでは、脂肪吸引といった身体的負荷の大きい施術や注射のような身体的痛みや不安のある施術は、患者様の身体的・精神的ご負担が大きいため患者様の利便性の高い「ダイエット薬の服用による治療」のみを行なっております。

2.取扱いダイエット薬の比較(赤字は当院グループ取扱い薬剤)

ダイエット 薬剤名 ダイエットのメカニズム 併用
ビグア
ナイド薬
ダイエット
メトホルミン
(ビグアナイド薬)
詳しくは→(※18)

・肝臓で乳酸から糖が作られる作用の抑制

・消化管からの糖の吸収の抑制

・筋肉などでのインスリンの働きの強化

・インスリン分泌促進作用なし

ダイエット効果が
得られるメカニズムが
異なるため併用は可能
GLP-1
ダイエット
リベルサス
(GLP-1製剤)
詳しくは→(※19)

・食後のインスリン分泌を促進し、
グルカゴンの分泌を抑制し血糖値を調整

・リベルサスは、食欲を抑制作用、満腹感持続作用、
基礎代謝(脂肪燃焼)促進作用の3つ
の効果による
体重減少効果が期待できる。

SGLT2
阻害薬
ダイエット
ルセフィ
(SGLT2阻害剤)
詳しくは→(※20)

・過剰な糖を尿中に排泄する作用を促進する作用
(食事から摂取した糖が尿と一緒に排出されるため、
実質的に糖質制限をしている状態)

・インスリン分泌促進作用なし

3.ダイエット効果の比較

メトホルミン

作用が穏やかなためダイエットに取り組みやすいとされています。
メトホルミンのダイエット効果は、リベルサスに比べて、穏やかとの報告があります。(※21)

・メトホルミンは、6ヶ月で▲5.8kg の体重減少(約▲1kg/月)があったとの報告(※22)があります。

リベルサス

・リベルサスが属するGLP-1製剤はメトホルミンよりも体重減少効果が高いという報告(※23)があります。
効果が高い分、副作用が出やすい傾向があります。

・肥満症の方に対してリベルサスを使用したところ、15ヶ月で約15kgの体重減少
約▲1kg/月)がみられたという報告(※24)があります。

ルセフィ

・作用が穏やかなためダイエットに取り組みやすいとされています。

・体重減少試算:ルセフィ効果で尿といっしょに排泄される糖の量は1日あたり約60gで、
カロリーに換算すると約240kcal/日相当です。
体脂肪を1kg落とすためには約7,200kcalの消費が必要になるため、
7,200kcal÷240 kcal=30日かかる試算(約▲1kg/月)となります。

4.メトホルミン・リベルサス・ルセフィの使い分け例

【使い分けの基本的順序例】

価格が安く効果が穏やかなため、先ず、「メトホルミン」でダイエットスタート
効果不十分な場合
ダイエット効果アップのため → リベルサスに切り替えまたは併用
リベルサス服用後6ヵ月程度でダイエット効果が一時的に減速する場合あり
→ダイエット効果加速のために「リベルサス+ルセフィ」の併用(※5)

【服用目的による薬剤の使い分け例】

服用目的 当院処方の薬剤
リバウンドも考慮した
長期継続的
ダイエット
ダイエット
メトホルミン、リベルサス、
ルセフィ
費用の安いダイエット
(1錠初診価格)
メトホルミン 約99円
リベルサス 約216円 (3mg)
503円 (7mg)、約933円 (14mg)
ルセフィ 約390円
穏やかな効果でのダイエット メトホルミン、ルセフィ
空腹ストレスが軽いダイエット リベルサス

ユニティクリニック上野院・大宮院では、メトホルミンの処方は可能ですが、リベルサス、ルセフィの処方につきましては、当面、ユナイテッドクリニック各院またはオンライン診療で可能です。

当院は、10年以上の診療実績、100万件以上の診療件数があり、全国10院からなるユナイテッドクリニック・グループ(※25)に所属しております。ユナイテッドクリニック・グループでは豊富な治療経験に基づく安全性・有効性・経済性に配慮したED治療(26)・メディカルダイエット治療(※27)を目指しております。多角的なED治療(※28)多様なメディカルダイエット治療によって、ED・ダイエットにお悩みの患者様に寄り添うことを目指しております。ED・ダイエットでお悩みの場合は、お一人で悩まず、当院の専門医師に、お気軽にご相談ください。また、「来院不要、診察料無料・即日受診・最短即日発送可能な、スマホでのオンライン診療」(※29)では、各種の優待制度で皆様のお問い合わせ・ご予約を心よりお待ちしております。

《出典》

(※1)→メトホルミンの正しい飲み方、効果や副作用を解説メトホルミン処方 │ 効果・副作用・ダイエット作用と正しい飲み方

(※2)→肥満患者におけるメトホルミンの体重および代謝パラメータへの影響:ランダム化比較試験の系統的レビューとメタアナリシス - PubMedメトホルミン:人間の肥満と減量におけるメカニズム - PMC肥満の非糖尿病患者におけるメトホルミンの減量効果 - PubMedメトホルミンによる長期減量または糖尿病予防プログラムアウトカムスタディにおける生活習慣介入 - PMC糖尿病患者におけるメトホルミンへのリラグルチド添加の有効性と安全性:ランダム化比較試験のメタアナリシス - PMC成人の過体重および肥満の薬理学的治療 - Endotext - NCBI Bookshelf

(※3)→肥満治療のための週1回のチルゼパチド - PubMed

(※4)→減量・代謝改善手術のための包括的な肥満症治療ガイドライン2024 | 日本肥満症治療学会

(※5)→→001711985.pdf

(※6)→リラグルチド、セマグルチド、またはティルゼパチドの中断後の体重増加:ランダム化研究のナラティブレビュー - PubMedリバウンドまたはリテンション:グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬およびその他の抗肥満薬の中止後の体重増加のメタ分析 - PubMed

(※7)→肥満の非糖尿病患者におけるメトホルミンの減量効果 - PubMed

(※8)→メトホルミン:人間の肥満と減量におけるメカニズム - PMC

(※9)→メトホルミンによる長期減量または糖尿病予防プログラムアウトカムスタディにおける生活習慣介入 - PMC

(※10)→(再最終稿)【岐阜大学】GIPは過食・肥満・糖尿病を改善することを解明v3_R2

(※11)→2型糖尿病における集中的な血糖コントロールのランダム化比較試験の試験後モニタリングは10年から24年に延長されました(UKPDS 91) - PubMed

(※12)→冠動脈疾患患者におけるメトホルミンの全因死亡率および心血管死亡率への影響:システマティックレビューと最新のメタアナリシス - PMC心不全におけるメトホルミンの影響:病態生理学的根拠から臨床的証拠まで - PMC

(※13)→メトホルミンのアンチエイジング・美肌・抗がん作用について

(※14)→メトホルミンは虚弱リスクを低減する:メンデルランダム化研究からの証拠 - PubMed

(※15)→遺伝子の活動状況から算出した「生体年齢」のことです。誕生からの経過年数を数える実年齢とは異なり、身体の健康状態や老化の進行具合による肉体の年齢を示した概念です。エピジェネティック時計には、Hannum、Horvath、DNAmPhenoAgeの3つのタイプがあります。

(※16)→糖尿病患者の末梢血のエピジェネティックな年齢に対するメトホルミンの影響-PMC

(※17)→2型糖尿病の人は、そうでない人よりも長生きできますか?メトホルミンまたはスルホニル尿素の単剤療法を開始した人と、それに対応する非糖尿病対照群の死亡率の比較 - PubMedメトホルミンを服用している糖尿病患者は、本当に非糖尿病患者よりも長生きできますか?古い長寿の謎を再訪 - ガウイングライフ

(※18)→メトホルミンの正しい飲み方、効果や副作用を解説メトホルミン処方

(※19)→リベルサス錠処方

(※20)→ルセフィ

(※21)→日本人の2型糖尿病患者を対象としたメトホルミンの世界標準用量の長期治療研究 - PMC

(※22)→_Thieme E-Journals - Experimental and Clinical Endocrinology & Diabetes / アブストラクト

(※23)→多嚢胞性卵巣症候群に対するグルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニストとメトホルミンの治療効果:系統的レビューとメタアナリシスのためのプロトコル - PubMed

(※24)→過体重または肥満の成人に対するセマグルチドの週 1 回投与 | 日本語アブストラクト | The New England Journal of Medicine(日本国内版)

(※25)→法人概要

(※26)→安全性・有効性・経済性に配慮したバイアグラの入手方法を解説

(※27)→メトホルミンの正しい飲み方、効果や副作用を解説メディカルダイエット

(※28)→前立腺肥大症とEDの関係、多角的ED治療を徹底解説

(※29)→オンライン診療(電話診療)ED治療のオンライン診療とは?バイアグラやレビトラなど処方可能な治療薬も紹介

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監修者

院長 髙嶋 政浩

平成元年杏林大学医学部医学科卒業
平成元年杏林大学医学部附属病院
平成8年西部総合病院皮膚科・形成外科部長 就任
平成12年大手美容外科クリニック
令和3年ユニティクリニック

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